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2026年1月施行の行政書士法改正と注意すべき事例

2026年1月13日

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2026年1月施行の行政書士法改正と注意すべき事例

2026年1月13日

2026年1月1日施行の行政書士法改正により、行政書士または行政書士法人ではない者が、他人の依頼を受け、いかなる名目であっても対価を得て、官公署に提出する書類等を作成する行為はできないと、条文上もいっそう明確に整理されました。

例えば、「サポート料」「手数料」「●●パック」といったように名称を変えていても、書類作成の対価が実質として含まれる場合は、法令上の問題になり得ます。

この記事では、改正点の要旨を押さえたうえで、違法になり得る事例や、ご自身や社内で手続きを進める場合の「線引き」も併せて解説します。

2026年1月施行 行政書士法改正の要点

今回の改正で注目されるのは、行政書士でない者による業務制限の規定に、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という趣旨が条文上も明確に位置づけられた点です。

重要なのは、名称ではなく実質です。たとえば「書類作成は無料」と説明しつつ、別の名目で費用を受領している場合でも、契約内容・業務の実態・金額の性質などから、書類作成の対価が含まれると評価されれば、違法となり得ます。

また、改正により、違反行為を行った者が法人等に所属している場合に、一定の条件で法人側にも罰金刑が及び得る(いわゆる両罰規定が整備された)点も、事業者にとって見落とせないポイントです。個人だけでなく、組織としてのコンプライアンスが問われます。

まずは押さえるべき「禁止行為」

行政書士法が問題にする中心は、次の要素が重なる場面です。

  • 他人の依頼を受けること
    → 顧客・会員・取引先など、名義を問わず
  • 対価を得ること
    → 報酬、会費、手数料、パッケージ料金など、名目を問わず実質で判断
  • 官公署に提出する書類等を作成すること
    → 申請書だけでなく、理由書、説明書、実地調査に基づく図面類なども含み得る
  • 業として行うこと
    → 反復継続して行う態様を含み得る

特に誤解が生じやすいのが、次の2点です。

  • 「名目を変えれば回避できる」という発想
    → 改正の趣旨として否定される方向に整理されています
  • 「入力作業は書類作成ではない」という発想
    → オンライン申請や電子申請であっても、申請書を完成させる行為は書類作成に該当し得ます

では、実務でどのような場面が問題になりやすいのか、違法になり得る事例を紹介します。

違法になり得る事例【入管手続】

入管手続では、申請書そのものだけでなく、理由書・活動内容説明・受入機関の資料整理など、提出資料全体の整合性が求められます。形式が整っていても、内容の齟齬や説明不足があると手続が止まることがあります。

そのような現状があるため、「代行ビジネス」が入り込みやすい領域となっています。次の事例は、行政書士でない者が有償で行う場合、行政書士法違反となり得る典型です。

【事例1】登録支援機関や関連事業者が入管提出書類を作成

  • 「支援委託料」「管理費」「サポート費」といった費用に含める形で、在留資格申請の書類一式を作成している
  • 対外的には「入力支援のみ」と説明しながら、実際には内容を判断しながら書類を完成させている

この場合、名目が支援費用であっても、実質として入管提出書類の作成対価が含まれると評価されれば、行政書士法違反となり得ます。

【事例2】人材紹介・採用支援のオプションとして作成

  • 採用成功報酬や紹介手数料とは別に「入管申請パック」「ビザ取得サポート」といったサービスを販売し、申請書や理由書を作成する
  • 職務内容説明などの提出用資料を「入管向けに整える」といった名目で文章を作成する

「採用支援の一環」という説明があっても、官公署提出書類を作成し対価を得ている構造になっていれば、行政書士法違反となり得ます。

【事例3】オンライン申請の代理入力を有償で請け負う

  • オンライン申請のアカウント操作を請け負い、申請内容を入力・確定して送信する
  • 「IT代行」「事務代行」といった名目で費用を受領する

電子申請であっても、申請書を完成させ提出する行為が含まれる以上、書類作成と同視され得るため注意が必要です。

違法リスクを避けるためのポイント

  • 行政書士でない者が関与する場合、有償で申請書・理由書等を完成させない
  • 内容判断や文章作成を伴う局面は、申請取次ができる行政書士へ切り分ける

湘南さむかわ行政書士事務所では、在留資格認定証明書(COE)交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請など、在留資格手続を取り扱っています。

必要書類の整理から書類作成、申請取次まで、現在の状況に合わせて整えることが可能です。申請区分の判断で迷う段階でも、早めにご相談ください。

違法になり得る事例【車庫証明】

車庫証明(自動車保管場所証明)も、事業者が「サービス」として介入しやすい領域の一例です。次の事例は、行政書士でない者が有償で行う場合、行政書士法違反となり得る典型です。

【事例1】車庫証明申請書と図面を作成し、手数料を受け取る

  • 販売店の従業員が、顧客のために車庫証明申請書を記入し、所在図・配置図を作成する
  • 「登録代行手数料」「納車パック」「諸費用」などとして、法定費用以外の金銭を受領する

名目が何であっても、そこに書類作成の対価が含まれると評価される構造であれば、行政書士法違反となり得ます。特に、図面作成を含む場合は単なる提出代行に留まらず、「作成」要素が強くなりやすい点に注意が必要です。

【事例2】申請書作成は無料と説明しつつ、実費として人件費等が含まれる

  • 領収書上は「実費」「交通費」等の名目で請求しているが、実態として人件費や役務対価が含まれる
  • 車庫証明の一連の業務の対価として定額を受領している

実費弁償にとどまるのか、役務の対価(報酬)なのかは、契約内容・作業の実態・金額の性質等から判断され得ます。説明の仕方だけで安全になるわけではありません。

違法リスクを避けるための実務ポイント

  • 行政書士でない者が有償で、申請書・所在図・配置図等を作成しない
  • 法定費用と、実費弁償がある場合は実費の範囲を明確化し、人件費等の役務対価を混在させない
  • 顧客サービスとして扱う場合でも、行政書士への委任を行う

安全な方法として、書類作成を伴う局面は行政書士へ切り分ける、または顧客自身が作成できるよう案内に徹する、といった運用が望ましいです。

事業者が今すぐやるべきチェック

  • 料金表・見積書・契約書の文言見直し
    →「申請」「届出」「書類作成」「代行」が含まれていないか
  • サービス内容実態の見直し
    → 申請書や理由書、図面を完成させていないか
  • オンライン申請の運用見直し
    → 入力を第三者が請け負っていないか
  • 会費・手数料・パック料金の見直し
    → 書類作成の対価が混在していないか

さいごに

湘南さむかわ行政書士事務所では、在留資格手続などの国際業務や、車庫証明などの各種許認可申請を取り扱っています。業務の見積もり・依頼・各種お問い合わせは専用フォームLINEなどから24時間受け付けておりますので、気軽にご連絡ください。