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不動産の役所調査とは?「知らなかった」を防ぐ確認ポイント

2026年1月14日

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不動産の役所調査とは?「知らなかった」を防ぐ確認ポイント

2026年1月14日

不動産の売買や土地活用を進めるときに必要な調査が「役所調査」です。図面や現地の見た目だけでは分からない法令上の制限手続の要否について、役所(自治体・関係機関)が保有する資料・台帳・指定状況で確認します。

役所調査に慣れていないと、どの窓口へ行き、何を確認し、何を記録に残せばよいのかが曖昧になりがちです。

この記事では、売買・農地転用・開発検討などの場面における、役所調査の進め方と確認ポイントを整理します。ご自身での調査が難しい場合は、湘南さむかわ行政書士事務所まで気軽にお問い合わせください。


役所調査で確認するもの

役所調査の目的は、「建物が建つかどうか」だけではなく、建物を建てようとする土地の価値やリスクを把握することです。具体的には次のような要素が存在します。

  • 都市計画・用途地域等
    → 用途、建ぺい率、容積率、高さ制限、地区計画など
  • 建築に関する制限
    → 道路との関係、防火規制、日影規制、斜線制限など
  • 道路・接道
    → 道路種別、幅員、セットバック、私道の権利関係
  • インフラ
    → 上水・下水・ガス・雨水排水の整備状況や引込状況
  • 災害リスク
    → 洪水・内水・高潮・土砂災害等の指定や想定区域
  • 許認可・届出の要否
    → 農地転用、造成・盛土、開発行為、道路手続など
  • 将来計画
    → 都市計画道路、区画整理、用途変更の可能性に関する公的情報

つまり役所調査は、「法令と指定状況」「現況」「手続」を揃えて、判断材料を固める作業です。調査の抜けは、契約条件・工期・コストに直結します。


調査前に準備する資料

役所の窓口では、所在地が正確に特定できないと、欲しい台帳や図面に辿り着くことができません。どのような調査であっても、最低限、次の資料を用意しておくと確認がスムーズです。

  • 登記事項証明書
    → 土地・建物
  • 公図
    → 筆界・地番を把握しておく
  • 地積測量図
    → 存在する場合
  • 住宅地図
    → 住所と地番がずれる場合の補助
  • 現地写真
    → 接道状況、擁壁、段差、水路等が分かるもの
  • 対象範囲が分かる図
    → 複数筆・一部購入・分筆予定がある場合

一般的に住所といわれる「住居表示」と、土地を特定する「地番」は一致しないことがあります。窓口での確認は地番で進むことが多いため、両方を持っていくのが安全です。


調査の軸は4点 → 建築基準法・都道府県条例・市町村条例・都市計画法

建築や造成、開発検討が絡む不動産の場合、確認すべき軸が増えます。最低限、次の4つを分けて整理すると、論点が見えやすくなります。

  • 建築基準法
    → 建築物の敷地・構造・設備・用途等の最低基準
  • 都道府県条例
    → 県条例として上乗せ・横出しされる基準(地域によって内容が異なる)
  • 市町村条例
    → まちづくり条例等、手続や基準を定める自治体ルール
  • 都市計画法
    → 都市計画区域、用途地域、市街化区域・調整区域、開発行為など

同じ「用途地域」でも、自治体の条例・要綱・運用で手続や基準が追加されることがあります。役所調査は、条文だけでなく「指定状況」と「手続の要否」まで落とし込んで確認するのがポイントです。


窓口別チェックリスト(どこで何を聞くか)

自治体によって課名は微妙に異なることがありますが、役所調査の窓口は概ね次のように整理できます。ここでは「確認したい事実」を中心に整理します。

なお、都道府県や自治体によってはWeb上で情報を公開しているケースがあります。あらかじめWeb上で確認しておき、不明点を窓口で確認するようにするとスムーズです。

都市計画(都市計画課・まちづくり担当)

  • 都市計画区域の内外
  • 用途地域、建ぺい率・容積率
  • 高度地区、日影規制、景観計画、風致地区等の指定
  • 地区計画の有無
    → 用途・高さ・壁面後退・最低敷地面積など
  • 将来計画
    → 都市計画道路、土地区画整理事業等

建築(建築指導課・建築審査担当)

  • 接道要件
    → 建築基準法上の道路に接しているか
  • 前面道路の種別
    → 2項道路、位置指定道路等の扱い
  • セットバックの要否
    → 後退寸法・算定方法
  • 防火地域・準防火地域等の指定
  • 建築確認や検査済証の状況
    → 既存建物や、既存擁壁などの構造物がある場合

道路(道路課・道路管理課・土木担当)

  • 公道/私道の別
    → 私道の場合は持分の有無に注意
  • 道路台帳、認定路線、幅員、境界
  • 道路後退がある場合の扱い
    → 帰属、整備負担、中心後退か片側後退か等

上下水道(上下水道局・下水道課等)

  • 上水
    → 本管の有無、メーター位置、口径、引込状況、負担金等
  • 下水
    → 供用区域、引込状況、宅内排水の接続方針、雨水排水

防災・環境(防災課・環境担当)

  • ハザード関連情報
    → 洪水・内水・高潮等と、自治体資料の有無
  • 土砂災害警戒区域等の指定
    → 該当する場合は建築・造成に影響
  • 土壌汚染や環境上の届出など

文化財(教育委員会・文化財保護担当)

  • 埋蔵文化財包蔵地の該当有無
  • 該当する場合の届出、試掘・本掘調査の要否
    → 該当無しでも隣接地の場合、届出が必要なケースあり

農地(農業委員会・農政担当)

  • 地目が農地に当たるか
    → 登記だけでなく現況も確認
  • 農地転用の要否、許可・届出の区分(3~5条)
  • 農用地区域等の指定があるか
    → 該当する場合、転用の可否判断に影響する

開発・造成(開発指導課・開発審査課・宅地造成担当)

  • 開発行為に該当するか
    → 造成・区画変更・道路新設等を含む
  • 盛土規制や宅地造成関連の規制対象か
    → 区域指定、手続要否
  • 手続の種類、事前協議の有無、必要図書、スケジュール感

契約条件・価格に直結する確認ポイント(売買向け)

不動産売買で役所調査が重要なのは、調査結果を「できる・できない」「必要・不要」を分けて、条件交渉や資金計画に影響するためです。例えば次のように、結果がそのままコストや期間に跳ねます。

  • 接道不足
    → 建築可否、再建築可否に影響
  • セットバック
    → 有効宅地面積の減少
  • 私道
    → 通行・掘削の承諾、持分、維持管理
  • インフラ未整備
    → 引込工事費や浄化槽等の追加負担
  • 災害リスク
    → 重要事項説明の対象、利用方針の判断材料
  • 埋蔵文化財
    → 着工前手続、調査で工期が動く可能性

ここで大切なのは、「台帳や指定の有無」を確認したら終わりではなく、「具体的にどうであったか」を契約書・重要事項説明・会社の場合は稟議に使える形で記録を残すことです。


農地転用や開発検討が絡むときの追加確認

土地活用や仕入れの場面では、農地転用や造成・開発検討が絡むことがあります。ここは「手続が必要かどうか」だけでなく、そもそも計画が成立するかの判断が必要です。

農地転用

農地の場合、売買の前提として転用許可・届出の整理が必要になることがあります。まずは、対象地が農地に当たるか、農業委員会で確認し、必要な手続区分(許可か届出か)を確定させます。

開発行為・造成・盛土

区画の変更、道路新設、造成や盛土がある場合、都市計画法上の開発行為に該当するか、宅地造成・盛土規制の対象かを確認します。該当すると、事前協議・許可・検査などが必要になり、スケジュールとコストの前提が大きく変わります。


調査結果のまとめ方

役所調査は、窓口で口頭確認して終わりにすると、後から「言った・言わない」の問題になりやすく、関係各所との共有もしづらくなります。次のように、資料化を前提にまとめると使いやすくなります。

  • 確認日と担当部署、対応者
    → 可能な限り控えておく
  • 確認した資料名
    → 台帳、図面、指定図など
  • 結論
    → 指定の有無、手続の要否、必要な追加確認
  • 添付
    → 閲覧した図面の写し、窓口配布資料、地図のスクリーンショット等

売買の場合は、重要事項説明に関係する項目も含め、説明の根拠として残しておくことが重要です。


湘南さむかわ行政書士事務所が支援できること

役所調査は、最終的に「売買・許認可・工事」の判断材料へ落とし込む作業です。調査結果の解釈や手続の要否で迷う場合、早い段階で論点整理をすると、後戻りを減らしやすくなります。

なお、湘南さむかわ行政書士事務所では、次のような業務を取り扱っています。

  • 農地転用
    → 農地法許可申請等
  • 道路
    → 道路使用許可申請・道路占用許可申請等
  • 宅建業許可
    → 宅地建物取引業免許申請等

上記以外にも各種許認可申請を取り扱っておりますますので、気軽にお問い合わせください。

※ 業務の見積もり・依頼・各種お問い合わせは専用フォームLINEなどから24時間受け付けておりますので、気軽にご連絡ください。